犬を飼うのはとてもたのしくて素晴らしいことですが、幸福なペット生活を築くためには、慎重な予算計画も不可欠です。
犬の飼育には様々な費用がかかることを知っておかなければなりません。この完全ガイドでは、犬を飼う際にかかる費用を具体的に解説し、予算内で充実したペット生活を築くためのポイントを紹介します。
初期投資から日常のコスト、予算節約のテクニックまで、飼い主の方々が明確な予算計画を立て、愛犬と共に幸せな時間を過ごすための手助けとなる情報をお届けします。
※当記事にはプロモーションが含まれています
犬を飼う準備の第一歩 【必要な費用を知る】
犬を飼うために必要な費用は、「最初にかかる費用」「継続的にかかる費用」「突発的な費用」の3つに分けられます。順番に見ていきましょう。
ここで紹介するのはあくまでも一般的な金額で、犬の種類や大きさ、かかる動物病院や住んでいる自治体によって変わってくるものもあります。
犬を飼うことが決まったらしっかりご自身で確認してください。
最初にかかる費用(犬の購入費用は除きます)
狂犬病予防注射・・・3,000円前後
年1回の狂犬病の予防注射は法律で義務付けられています。初めての注射は生後91日以降、飼い始めてから30日以内に実施しなければなりません。
別途、狂犬病接種済票交付料(500円程度)が必要です。
鑑札発行費用・・・約3,000円
狂犬病予防注射と同様、鑑札を発行し犬に取り付けることが法律で義務付けられています。
初回の狂犬病と同時に行うのが一般的ですので、犬を飼い始めたら(生後91日以降)、狂犬病予防注射と鑑札の発行、狂犬病接種済票交付料 で約6,500円が必ずかかると覚えておいてください。
マイクロチップ・・・数千円から1万円
ペットショップやブリーダーが犬を販売する場合には、マイクロチップを装着することが義務付けられています。
つまり購入した犬は初めから装着されていますが、譲り受けた場合などは自分で獣医師等に依頼して装着しなければなりません(義務ではありませんが、装着することをおススメします)。
飼い犬にマイクロチップを装着し、指定登録機関(日本獣医師会)で登録等をしている場合は、装着されているマイクロチップを犬鑑札とみなすことができます。
なお、データ登録(マイクロチップに情報を登録)には数百円から千円ほどかかります。
去勢・避妊手術・・・オス2~3万円 メス3~5万円
あくまでも自由診療なので幅があります。ここでの金額は目安とお考え下さい。大型犬の場合はさらに1~2万円程度高くなるのが一般的ですし、プラスで検査等の諸費用がかかる場合もあります。
大きな出費になりますし、なんとなくかわいそうと思う人もいるかもしれませんが、犬の健康に大きくかかわりますので、繁殖の予定がないのであれば必ず実施しましょう。
自治体によっては助成金が支払われる場合がありますので、お住いの地域が対象かどうか調べてみてください。
飼育用具・ケア用品代・・・1万円~
首輪やハーネス、リード、食器、ケージ、クレート、ベッド、ブラシ、洋服、おもちゃなど、犬の飼育に必要なものはたくさんあります。
安価なものから高級品までピンからキリまでありますので、一概にいくらくらいとは言えませんが、最低限のものを揃えるなら最低でも1万円程度はかかるでしょう。
飼育環境によってはケージが不要な場合もありますし、食器などは人間のものを代用することも可能です。都度必要に応じて買い揃えていけばいいでしょう。
継続的にかかる費用
食費(おやつ代含む)・・・約20,000円~40,000円(年)
ドッグフード中心であれば、小型犬の場合、年間の食費は約20,000円〜30,000円程度ですが、大型犬の場合は40,000円以上かかることもあります。
食事の内容にこだわればさらに高額になるでしょう。
食い付きがよく、犬の健康にも合っているドッグフードを見つけるのは結構大変です。こだわるのであれば手作りもいいと思いますが、コストは跳ね上がります。
個人的にはバランスの取れたドッグフードを中心に、「おやつは手作り」がいいのではないかと思います。
※おやつを手作りするならフードドライヤーが断然おススメです
保険代・・・約3,000円~5,000円(毎月)
人間の保険と同様、加入が遅くなれば月々の保険代が高くなりますし、一定の年齢になると保険そのものに加入できなくなります。
若いうち(仔犬のうち)に加入することをおススメします。
保険が適用されない疾患や、保険料の支払い方法などさまざまですので、ブリーダーやペットショップに勧められるまま入るのではなく、内容をしっかり確認の上、納得して加入しましょう。
トリミング代・・・8,000円~20,000円(1~2か月)
犬種や大きさ、頻度によって大きく変わります。
犬種によってはもっとも費用がかかる部分ではありますが、飼い主にとっては、もっともたのしいことでもあるのではないでしょうか?(犬にとっては迷惑かもしれませんが)
体中をよく見て、キレイにしてくれるので、定期的な健康チェックの場と考えることもできます。
グルーミング費用・・・数百円(自宅ケア)~約5,000円(1~2か月)
自宅でケアできればシャンプー代など数百円で済みますが、抜け毛が散らかったり、排水溝を詰まらせたりしますので、それなりに大変です。
トリミングが不要な犬種でも、定期的にトリミングサロン等でシャンプーやブラッシングをしてもらうことをおススメします。
定期的な健康チェックにもなりますし、肛門絞りやつめ切りなどもやってもらえます。
トイレ用品・・・約1,000円~3,000円(毎月)
ペットシートは1枚当たり10円~20円程度で、交換頻度が少ない場合でも1日に2枚から3枚、平均で4枚から5枚程度は使用します。
幅はありますが、毎月1,000円から3,000円程度かかると考えてください
その他に、おしっこやウンチを失敗したときに床を拭くための消毒液や消臭剤も必要になるでしょう。いろいろな価格、タイプのものがありますが、月に数百円程度です。ペット専用のものである必要はありません。
狂犬病予防注射・・・約3,000円+注射済票約500円(毎年)
最初にかかる費用でも解説しましたが、年1回の狂犬病の予防注射は法律で義務付けられていますので、必ず受けなければなりません。
原則として4月1日から6月30日の間 に受けることとされていて、3月頃に市区町村から集合注射 の案内が届きます。
集合注射が受けられない場合は動物病院でも受けることができます。
混合ワクチン・・・約3,000円~10,000円
狂犬病のように義務ではありませんが、ペットホテルやドッグランなどでは、ワクチン証明書の提出を求められることが多いです。
感染症を予防するための有効な手段であることも間違いありませんので、ぜひ受けていただきたいと思います。
混合ワクチンには2種~10種くらいまでありますが、もっとも一般的なのは5種混合ワクチンと言われています。
ここでは細かい説明はいたしませんが、種類が多ければいいというワケではありませんので、しっかり必要性を確認した上で接種してください。
尚、仔犬の場合は特別な接種プログラムがあり、生後数か月の間に3回接種するのが一般的です。
フィラリア予防・・・約1,000円~(月)
フィラリアは蚊を介して感染する、寄生虫によって引き起こされる病気です。
予防には飲み薬、滴下薬(首の後ろに垂らす薬)、注射がありますが、注射は副作用の心配や接種できない犬(仔犬、シニア等)もいますので、飲み薬か滴下薬が一般的です。
飲み薬も滴下薬も月に1回の投与が基本で、ほとんどの場合3か月分、または半年分(6回分)のセットで販売されています。
半年分で5,000円~6,000円程度ですが、ジェネリックも販売されていますので調べてみてください。
ノミ、マダニも予防してくれるオールインワンタイプがおススメです。
ドッグランなどの利用代・・・無料~数百円(1回あたり)
無料のドッグランもありますが、数百円かかることが一般的です。
そして必ずしも家の近くにあるとは限りません。
施設の利用が有料で、さらに移動手段にもお金がかかるとなれば、それなりの出費になるかもしれませんね。
こればかりはお住まいの地域によって条件がまったく異なりますので、一概には言えないでしょう。
また運動のいらない犬種から、ハードな運動が必要とされている犬種までさまざまですので、お住いの環境によって適している犬種を選ぶことも大切です。
飼育用具・ケア用品の買い替え・・・5,000円~
クレートやケージなどは何度も買い替えることはないでしょうが、首輪やリードは劣化によって買い替えが必要です。
服も成長やシーズンによって買い替えるでしょう。犬に服を着せたい人は結構出費が大きくなりますね。
その他にはベッドやブランケット等の寝具、食器、おもちゃ、ブラシなどは定期的に買い替えが必要になるでしょう。
突発的な費用
医療費
なんといっても一番大きくて突然の出費は医療費です。
保険に入っていればそれなりに抑えられますが、保険の種類によっては適用されない病気があったり、全額支払われなかったりとさまざまです。
月額費用だけでなく、どんな病気が適用になるのか、自分の犬がかかりやすい病気にはどんなものがあり、それが適用されるのかなど、しっかり確認しましょう。
また、動物病院の窓口では全額払い、あとで保険会社に請求するタイプの保険も多いです。
後で支払われるといっても一時的な出費が大きくなる場合がありますので、これも保険を選ぶときのポイントになります。
ホテル・ペットシッター代
仕事や旅行などで、犬を連れていけない場合があります。
いくらお留守番が得意な子でも一晩中ひとりぼっちはかわいそうですし、ごはんやお水、トイレのお世話もできないようでは犬の健康にとってもよくありません。
こういう場合はペットホテルに預けたり、ペットシッターに頼るのが一般的でしょう。
一泊預ければ数千円はかかりますので、頻繁に預けることになれば大きな出費になります。
しつけクラス等の参加費
医療費やホテル代のようにコントロールできない出費ではありませんが、しつけクラスのようなイベントは不定期に行われるものも多いです。
またしつけが上手くできず、トレーナーに預けたり、飼い主と一緒に訓練を受けた場合、1回あたり数千円から1万円程度かかりますし、数日間のプログラムの場合は10万円近くかかるものも少なくありません。
予算節約のテクニック
保険
まずは適切な保険に入ることが重要です。あくまでも保険ですので、何事もなければ払った分がムダになると感じてしまうかもしれませんが、結果的に入ってよかったと思う人も多いでしょう。
重要なのは仔犬のうちから早く加入することです。人間と同じで歳をとってから入ると高くなったり、そもそも入れないということもあります。
保険に入るなら、早く入った方が節約になります。
トリミングやグルーミング代
トリミングを飼い主が自分でやるのは大変ですが、自信があるならやってみてもいいでしょう。私の周りにも素人ながらトイプードルを自分でトリミングをしている飼い主がいます。
トリミングはできないまでも、シャンプーやブラッシングは自分でやるというのはおススメです。
ただし換毛期には排水溝を詰まらせたり、自分でシャンプーしたのはいいけど、毛玉がすごくなって、かえってトリミング費用がかるなんていうこともありますので、そこは慎重に。
歯のケア
実は意外に重要なのが歯のケアです。犬は自分で歯が磨けないので、飼い主がしっかりケアをしてあげましょう。人間同様、歯の治療にはお金がかかります。
そして歯の治療は多くの場合保険適用外ですし、虫歯や歯周病にならなかったとしても、歯石取りが必要な場合も多く、これも保険は効きません。
重度な歯石を除去する場合は全身麻酔を行う必要があり、数万円はかかるでしょう。
面倒でも普段からしっかりハミガキをしてあげることが、予算の節約につながります。
その他にもできるだけ長く使えるグッズを選んだり、洋服などの季節ものはセールを活用するなど、節約できることはいろいろあります。
ちょっと宣伝になりますが、当店でも長く使える首輪や洋服のセール品等を扱っていますので、ぜひのぞいてみてください。
まとめ
あまり費用のことを知らずに犬を飼おうか考えている人や、すでに飼い始めた人にとっては、「意外に金がかかるな」と感じたのではないでしょうか?
「犬なんて庭で鎖につないで、人間のごはんの残り物をあげておけばいい」という時代ではありません。
ここに挙げた費用はあくまでも一般的なものではありますが、犬の飼育にかかる費用は年間20万円から30万円程度が平均的と言えるでしょう。
仮に寿命を14年とした場合、生涯費用は280万円から420万円かかるということです。
そんなに金がかかるなら車を買った方がいいと思う人はぜひそうしてください。今の時代にお金をかけずに犬を飼うことはとても難しいのです。
しかし、犬を飼うよろこびは、多くの人にとって車を買うことよりはるかに大きな幸せを与えてくれます。
とはいえ犬も飼いたいし、車も買いたいですよね。
当記事を参考にムリのない予算計画を立て、節約をしてぜひ両方実現してください。